臨床研究の基礎知識

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臨床研究の基礎知識

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研究計画書、プロトコール(PRT:Protocol)

臨床研究に関わる全ての人が、その試験の意義および実施手順を理解し、試験実施において遵守するべき事項を記載した計画書。研究の実施に先立ち、作成が必須である。

同意説明文書(ICF:Informed Consent Form)

患者が治療や検査の内容、予測される効果や副作用などについて、医師から十分な説明を受けて理解し、患者の自由な意思に基づいた試験参加への同意を取得するための文書。

症例報告書(CRF:Case Report Form)
被験者の試験治療経過の情報(検査データ、服薬記録、有害事象等)を報告するためのフォーム。
必須文書
臨床研究の実施体制を再現・説明し、研究の実施及び得られたデータの質の評価を可能にする文書。(試験実施計画書、同意説明文書、手順書、契約書等)
原資料
CRF(症例報告書)作成の元となる、臨床研究の事実経過の再現と評価に必要な記録。(診療録、検査・画像データ、治験薬等の投与記録、被験者の日誌等)
倫理審査委員会、治験審査委員会(IRB:Institutional Review Board)
人を対象とした研究において、研究対象者の権利保護と尊厳保証を目的として、研究の実施又は継続の適否・その他必要な事項に関し、倫理的及び科学的な観点から審議する機関。
詳しくは→ 倫理審査について
利益相反(COI:Conflict of Interest)
個人的・組織的な利害を考慮することにより、専門家として行う判断に妥協もしくは偏向が生じ、またその客観性が失われる可能性のある状況。
詳しくは→ 利益相反について
医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP:Good Clinical Practice)
企業治験または医師主導治験、製造販売後臨床試験において遵守すべき法律。治験が倫理的な配慮のもとに科学的で適正に実施されるための基準が示されている。
人を対象とする医学系研究に関する倫理指針
臨床研究(疫学研究、観察研究等)、臨床試験(侵襲・介入を伴う研究)において遵守すべき指針。人を対象とする医学系研究の形態の多様性に配慮し、基本的な原則を示す内容となっている。
臨床研究保険
研究参加によって被験者に発生した健康被害に対する補償責任及び賠償責任をカバーする保険。侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴い、通常の診療を超える医療行為を伴う研究を実施する場合、研究対象者に生じた健康被害に対する補償を行うための措置を講じる必要があり、研究開始前に臨床研究保険に加入しておくことが推奨される。 詳しくは→ 臨床研究保険
主要評価項目、プライマリーエンドポイント
研究の主要な目的とする評価項目。仮説を検証する上で薬理学的、臨床的に意味があり、客観的評価可能な項目が用いられる。
副次評価項目、セカンダリーエンドポイント
研究の主要な評価項目以外の効果を評価するための項目。研究の目的から、重要度においてプライマリーエンドポイントの次に位置するもの。

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解析対象集団
そのデータが主要な解析に用いられる被験者で構成される集団。

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データマネジメント(DM:Data Management)
症例データの品質を確保し、管理する業務。データが入力規則に沿った形式で入力されているか、必要なデータが揃っているか、正しい値が入力されているか等の確認を実施する。
モニタリング
臨床研究が指針及び研究計画書や手順書に従って実施、記録、報告され、記録が適切に保存されているかを確認し、研究が適正に行われるよう改善につなげるための活動。
監査
臨床研究が指針及び研究計画書や手順書に従って実施、記録、報告されていたかを客観的な立場から評価を行い、研究結果の信頼性を確保するための業務。監査担当者は、監査対象の研究に携わる者及びモニタリング担当者以外の者とする。
EDC:Electronic Data Capture
CRFで収集する項目を直接コンピューター上で入力し、データ収集、管理を一括して行うことができるシステム 。
有害事象(AE:Adverse Event)
研究対象者に生じた全ての好ましくない又は意図しない傷病もしくはその徴候(臨床検査値の異常を含む)であり、実施された研究との因果関係の有無を問わず、あらゆる出来事を含む。発生した事象については迅速な報告、詳細な情報収集の継続が重要であり、研究参加者間で安全性情報として共有される必要がある。なお、副作用とは定義が異なる。
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合併症
研究対象疾患以外に、研究参加時点で併存している疾患。診療では、①ある疾患が原因となって起こる別の疾患(例:糖尿病に併発する腎症)、②検査や手術による治療に伴って生じる疾患や症状(例:腹部手術後に続発するイレウス)を指すことがあり、使用される場面で定義が異なるため注意が必要である。
臨床研究コーディネーター(CRC:Clinical Research Cordinator)
治験及び臨床研究の被験者となる方の人権を尊重し、倫理性と科学性の側面を両立しながら、医療機関内で安全に円滑な研究実施に向けたコーディネートを行う者。研究倫理に関するトレーニングを履修し、研究計画書を守り、研究責任医師等の指示・監督の下に専任として治験及び臨床研究の多岐にわたる業務をサポートする。具体的には被験者の意思決定プロセスの支援、実施中の相談窓口対応などを行う。
開発業務受託機関(CRO:Contract Research Organization)
治験及び臨床研究依頼者(製薬企業または自ら治験及び臨床研究を実施しようとする者)からの依頼を受け、治験及び臨床研究に関わる業務の一部を代行・支援する企業。治験及び臨床研究のモニタリング監査、収集データに対するデータマネジメントや統計解析、行政当局への提出書類の作成や申請手続きなど、幅広い業務を行う。
アカデミック臨床研究機関(ARO:Academic Research Organization)
治験及び臨床研究の実施において、研究者が円滑に研究を進めるための支援を行うための組織で、大学・研究機関が設立する。治験及び臨床研究の実施・モニタリングデータマネジメント・統計解析などの支援をする他、アカデミアとしてシーズから新しい医療の開発を推進するための基盤の構築・整備や、研究者の支援・教育などを行う。
施設支援機関(SMO:Site Management Organization)
実施医療機関において、治験及び臨床研究に関わる業務の一部を代行・支援する企業。実施医療機関へCRCを派遣し、その医療機関が携わる治験及び臨床研究の事務手続等の代行や、治験及び臨床研究を担当する医師や看護師等の業務の支援を行う。