臨床研究保険

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倫理指針が求める補償措置

人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(平成27年4月1日より施行) では、「研究責任者は、侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う研究であって通常の診療を超える医療行為を伴うものを実施しようとする場合には、当該研究に関連して研究対象者に生じた健康被害に対する補償を行うために、あらかじめ、保険への加入その他の必要な措置を適切に講じなければならない。」とされており、ヘルシンキ宣言でも「研究参加の結果として損害を受けた被験者に対する適切な補償と治療が保証されなければならない。」と明記されています。

当院では、補償措置が必要となる臨床研究について、臨床研究保険への加入による補償を推奨しています。臨床研究の開始(同意取得)後は臨床研究保険に加入できなくなりますので、保険への加入を検討する場合は必ず事前に担当係へご相談ください。

賠償責任と補償責任

健康被害に対する補償とは、医療事故等が起こった場合に損害賠償を行うことはもちろん、過失がなく民法上の賠償責任が発生しない場合でも、研究参加によって被験者に発生した副作用等の健康被害の補償を行うことです。賠償責任については、賠償のための措置をどのようにとるかにかかわらず、全ての研究において過失により被験者に健康被害が発生すれば、民法にしたがって賠償を行わなければなりませんが、補償責任は法律によって発生するものではなく、補償手順書や説明文書の中に定め、被験者が同意することによって発生する責任です。臨床研究保険は、主にこの補償責任部分をカバーするものです。

補償措置が必要な臨床研究

人を対象とする医学系研究に関する倫理指針において求められている補償措置が必要な臨床研究は、「侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う研究であって通常の診療を超える医療行為を伴うもの」です。 侵襲とは、研究目的で行われる、穿刺、切開、薬物投与、放射線照射、心的外傷に触れる質問等によって、研究対象者の身体又は精神に傷害又は負担が生じることをいいます。そのうち、軽微な侵襲とは、研究対象者の身体及び精神に生じる傷害及び負担が小さいものをいいます。

(軽微な侵襲の例)
  • 一般健康診断で行われる採血や胸部単純X線撮影等と同程度(対象者の年齢、状態、頻度等を含む)のもの。
  • 研究目的で、診療で行われる穿刺、切開、採血等の量を増やすが、追加的に生じる傷害や負担が相対的にわずかである場合。
  • 造影剤を用いないMRI撮像で長時間に及ぶ行動の制約等のない場合。
  • 質問票による調査で、研究対象者に精神的苦痛等が生じる内容を含むことをあらかじめ明示して、研究対象者が匿名で回答又は回答を拒否することができる場合。

また、通常の診療を超える医療行為とは、以下のものです。

  • 医薬品医療機器等法に基づく承認等を受けていない医薬品(体外診断用医薬品を含む。)又は医療機器(未承認医薬品・医療機器)の使用
  • 既承認医薬品・医療機器の承認等の範囲(効能・効果、用法・用量等)を超える使用
  • その他新規の医療技術による医療行為
加入できる臨床研究保険
  • 損害保険ジャパン日本興亜株式会社
  • 東京海上日動火災保険株式会社
  • 三井住友海上火災保険株式会社
  • Chubb損害保険株式会社

の4社が臨床研究保険を販売しています。 各社とも臨床研究に起因して健康被害が発生した場合の賠償責任(医療行為を除く)と補償責任を保険金の支払い対象としており、免責等を含め補償範囲はほぼ同じですが、保険料がかなり異なるケースがありますので、加入を検討する際は、4社の見積もりを比較することを推奨します。

なお、保険料は研究責任者の負担(研究費等での負担)となります。

臨床研究保険加入までの手続き
①見積もり依頼

(見積時必要書類)

  • 研究計画書
②加入する臨床研究保険の検討

通常2~3週間程度で保険会社から見積の回答が届きます。

③臨床研究保険加入申し込み

(加入時必要書類)

  • 加入依頼書、申込書
  • 研究計画書(最終版)
  • 補償手順書(最終版)
  • 倫理審査委員会申請書
④保険料の支払い
⑤研究開始

※研究開始後、研究計画書(プロトコール)の変更があった場合は、臨床研究保険の変更手続きが必要となる場合がありますので、担当係へご連絡ください。

特に、研究実施期間の変更、症例数の変更、多施設実施機関数の変更等は、保険料の追徴・返戻が発生する可能性があります。遡及して手続きすることはできませんのでご注意ください。

臨床研究保険に関するお問い合わせ

医歯学総合病院

管理運営課臨床研究支援係

e-mail:

TEL:025-227-2422

FAX:025-227-0720